原子力規制委員会
掲載日:2020年1月6日

四国電力(株)から伊方発電所3号機における運転上の制限の逸脱に係る報告を受領

 原子力規制委員会は、令和2年1月6日に四国電力株式会社(以下「四国電力」という。)から、実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則第87条第9号の規定に基づき、伊方発電所3号機の運転上の制限(注1)の逸脱について、下記のとおり報告を受けました。

1.四国電力からの報告内容

 伊方発電所3号機は、第15回定期検査中において、予防保全を目的とした中央制御室非常用循環系(注2)の点検作業を実施しようとしたところ、保安規定第88条(注3)に定める点検が実施可能な時期でないことがわかったため、当該点検作業を延期した。
 このため、過去に実施した予防保全を目的とした点検作業を確認したところ、第14回定期検査時に実施した同作業が保安規定第88条に定める点検を実施可能な時期でない時期に行っており、保安規定第84条(注4)に定める運転上の制限を逸脱していたことを確認した。

2.原子力規制委員会の対応

 運転上の制限を逸脱した中央制御室非常用循環系作業は、平成29年10月5日に実施され同日復旧(逸脱時間:5時間17分)していること、その後、3号機においては、現在まで同作業が行われていないことを確認した。
 今後、当時の同作業の実施に関する手順書等を確認するとともに、逸脱時の対応状況を保安検査等で確認します。

(注1)運転上の制限とは、保安規定において、多重の安全機能を確保するため、予備も含めて動作可能な機器(ポンプ等)の必要台数等を定めているものです。一時的にこれを満足しない状態が発生すると、事業者は運転上の制限からの逸脱を宣言し、速やかに修理等の措置を行うことが求められます。

(注2)放射性物質が放出されるような重大事故が発生した場合に、放射性物質が中央制御室へ流入することを防止するため外気を遮断し、中央制御室等の空気をフィルタ経由で循環させる空調装置です。

(注3)保安規定第88条第3項、表88において、中央制御室非常用給気ファン、中央制御室空調ファン、中央制御室再循環ファン、中央制御室非常用給気フィルタユニットを保全計画等に基づき定期的に点検・保修を実施する場合、モード1、2、3、4、5、6および使用済燃料ピットでの照射済燃料移動中以外の時期に実施することが要求されています。

(注4)保安規定第84条表84-17において、モード1、2、3、4、5、6および使用済燃料ピットに燃料体を貯蔵している期間は、中央制御室非常用循環系1系統が動作可能であることが要求されているが、モード5において同作業を実施していた。

お問い合わせ先

原子力規制庁
原子力規制部 検査グループ 安全規制管理官(実用炉監視担当):武山 松次
担当:実用炉監視部門 吉野、小野
  • 電話(直通)
    03-5114-2262
  • 電話(代表)
    03-3581-3352
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